イマ

今だけの 私だけの感性で言葉を綴る

しあわせ

この手にはなにもないようで、

かなしくて、空っぽな気がしてしまう

この胸にぽっかり空いた空間を

うめてくれるのはなにかと

探す毎日の中

それでも、春風が温かな空気をはこぶ

少し大きめのハコのなかで

自分をどこか遠くへ

どこか自分が望んでいるような

そんな世界に連れて行ってくれる

一冊を手に

春風に揺れる白布を

うつくしみ

しあわせを感じられたら

それだけでいい

誰かの望むような

誰かが羨むような

輝きか美しさか

それがなくともー。

ただ精一杯な今日が

いつの日か輝いて見えるかもしれない

輝かないとしても

きっとそれは美しい

だれの目にも留まらぬ

だれの気にも留まらぬ

ものだけど

なにか

きっと輝いている

きっと輝いている

 

しあわせとは何か、どうすればしあわせになれるかと、仕事でくたびれながら考えていた日々の中、『ちはやふる』を陽のさすアパートの一室で読んでいて、ふと目線を上げた先にゆらゆら揺れるカーテンが見え、「ああ、なんだかしあわせだなぁ」と感じたときの一詩