カコトハ
まるでなにもなかったような
自分の手にはなにもないような
そんな感情が押し寄せてくる
その波が心を埋め尽くそうと
イマがある、イマがあると
握るこぶし、うるむ瞳は強くあり
一寸先は闇で
ふりかえってもなにもない闇
そんな虚空の中で一人
立ち尽くしているようで
足を止めそうになる
ひざをつき、両手で頭を鷲掴みして
うなだれそうになる
いや、実際にはそうなっているのだろう
でも、とまりたくない
歩きたい、一歩前に出たい
そんな思いが、心が認めない
まだイケる、進めると己を奮い立たせる
この心がいつまでもうだろうか